辻村深月さんのデビュー作をご紹介します。
『冷たい校舎の時は止まる』(第31回メフィスト賞受賞作)
辻村さんはたくさんの人気作品を出されています。
最新作を読むのも良いと思いますが、デビュー作を読んでみるのもフレッシュで楽しいです。
『冷たい校舎の時は止まる』にはデビュー作とは思えない完成度があります。
タップできる目次(もくじ)
あらすじ
雪が降る真っ白な世界、なぜか学校に閉じ込められてしまった8人の仲間たち。
閉じ込められた男女8人には、どんなつながりがあるのか。
原因を探っていくと、学園祭で自殺した一人のことを思い出す。
しかし、誰もその名前や顔を思い出すことができない。
不安と苛立ちが8人の心を揺さぶってくる。
物語が進むにつれ、それぞれが心に抱える思いが少しずつ明らかになっていく。
そんな中、突然時計が止まり一人の仲間が消えてしまう。
時計がまた動き、また止まるたびに一人ずつ消えていく仲間。
物語の鍵を握る謎の「ホスト」とは一体何者なのか。
時を止めているのは誰なのか。
本当に自殺したのは誰だったのだろうか。
最後に時計が動き始めたときに、誰が待っているのか。
誰が誰のために、この物語を終わらせるために立ち上がるのか。
はたして無事に終わらせることはできるのだろうか。
感想
『冷たい校舎の時は止まる』は、ドキドキわくわくが止まらず2日で読み終わってしまいました。
初めて辻村さんの小説を読みましたが、独特の世界観と臨場感がある作家さんだなと思いました。
『冷たい校舎の時は止まる』は結構ボリュームがあります。
上下巻で各600ページ、合計約1200ページあります。
でも読み始めたら、ページをめくる手がとまらなくなってしまいますよ。
デビュー作とは思えない面白さ
ネットで辻村作品を調べると『読む順番が大切だと』ありました。
ですが個人的にはどの作品から読んでも面白いと思います。
登場人物が複数の作品に出ていたりします。
「あ、この人ってこの前読んだ作品に出てたよね」というサプライズがちょくちょくあります。
デビュー作から読み始めると、「作家さんと一緒に進んでいく、成長していく」ような不思議な連帯感を味わうことができます。
「冷たい校舎の時は止まる」にはデビュー作とは思えない面白さがあります。