僕にとってとても心に残っている本をご紹介します。
それは高野和明さんの『幽霊人命救助隊』です(すごいタイトル)。
この本に出会ったのは僕が人生に少し疲れていたときでした。
- キテレツなタイトルにひかれたのか…
- それとも養老孟司さんの書いた帯にひかれたのか…
今となってはハッキリと覚えていません。
不思議と興味をひかれて、気がついたらこの本を手に取っていました。
タップできる目次(もくじ)
あらすじ
あらすじを簡単にご紹介します。
主人公たち4人が、突然神様から「100人の命を救うように」と命令されるところから物語が始まります。
心にさまざまな問題を抱える人々を助けるために奔走していきます。
- いろいろな道具を駆使しながら
- 試行錯誤を繰り返しながら
人命救助に挑戦をしていくわけです。
最後は無事に100人の命を救うことができるのか。
ドキドキハラハラする展開の中で、心に響く感動のエピソードもあったりします。
感想
いきなり神様が出てくる展開で驚かされました。
「えっ、そういうことなの」と驚きながらも一応は納得しましたが…。
でも「この先の展開はこれで大丈夫なのか!?」という不安は正直ありました。
主人公たちが活動を進めて行く過程で登場する道具がとても個性的で面白いんです。
僕は「まるでドラえもんみたいだな」と少しだけ思ったりしました。
そして主人公たちが特有の個性を生かしながらどんどん人々を助けていきます。
「憑依」(これ以上は秘密です)のときは「おっ、そうくるわけね」と一人でニヤっとしたりしていました。
- 借金問題
- 家庭問題
- うつ病
- いじめや孤独
などの問題に、主人公たちがケースバイケースで対応していきます。
このような問題についても、自分自身で考えてみるいい機会になりました。
後半からラストまではもう一気読みです。
最後はほっこりにんまりで終わりです。
家族のつながりについて、しんみりと考えさせられました。
僕の心に響いたフレーズ
僕の心に響いたフレーズをご紹介します。
「なあ」静まり返った空気の中に、八木の声が響いた。
「今まで頑張ってきて、一つ気がついたことがあるんだが」
「何です?」と市川。
この世に絶望している連中の心の中さ。生きていた頃の俺自身を含めてな。死のうとしてる奴らが怖れるのは未来だ。この先、いいことなんか何もないと思い込んでる。
だがな、誰も預言者じゃねぇ。
ノストラダムスの大予言だって見事に外れたんだ。
つまり、俺が言いたいのは、と八木は視線を泳がし、言葉を探した。
「未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである」
『幽霊人命救助隊』P568
未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである
このフレーズは当時の自分にはものすごく心に響きました。
すぐに気持ちを切り替えて、思考や行動をかえることは難しいことです。
でも「心の中にこの言葉を置いておくと、少しでも前向きになれるかな」と僕は思いました。
笑顔と勇気
最初は本のタイトルが個性的だったので、正直なところあまり期待はしていませんでした。
しかし、その反動というかギャップに見事に裏切られました。
読み終わったあとに自然とクスッと笑っていた自分を今でも思い出します。
笑顔と勇気
この言葉を本から分けてもらいました。
「まだまだやり直せるのかな」と前向きになるきっかけを与えてくれた本です。