「13階段」って何のことか分かりますか?
「13階段」という言葉は、日本では「死刑執行」の隠語として使われています。
残酷な内容なんですが『絞首刑の台の階段が13階段』ということからきています(ほかにも諸説あります)。
ですが実際の階段は13段と決まっていません(段数はさまざまです)。
こちらの記事では「13階段」がタイトルになっている小説をご紹介します。
そのままですが、高野和明さんの『13階段』です。
手に汗を握るスリリングな展開で、思わずラストまで一気に読んでしまいました。
タップできる目次(もくじ)
あらすじ
傷害致死の事件を起こし服役していた三上純一は仮出所を許されることになる。
その三上に対し刑務官だった南郷がある仕事を依頼をしてきた。
その仕事とは樹原という死刑囚の冤罪をはらすための証拠集めだった。
しかし死刑囚の樹原はバイク事故により犯行時刻前後の記憶がなく、やがて思い出した一部の記憶は「階段」を上っていたことだけだった。
三上と南郷は、樹原の冤罪を証明するために奔走していく。
やがて三上の過去の事件と樹原の事件とがつながるはじめる。
死刑執行のタイムリミットが迫るなか、三上と南郷は樹原の冤罪を証明することができるのか。
二人は樹原の命を救えるのか。
はたして樹原が思い出した「階段」とはなんだったのか。
いったい真犯人は誰だったのか。
感想
『死刑』や『冤罪』と少し重い内容でしたが、読み始めたらもう手が止まりませんでした。
刑務官という仕事につては知らないことばかりだったので、南郷が語る刑務官の仕事についてはとても興味深かったです。
読みながら話の続きが気になって仕方ありませんでした。
- いったい誰が
- どうして
と考えながら一気に最後まで読んでいたくらいです。
後半の展開は本当にスピーディーで、気がついたら最後のシーンになっていました。
「13」という数字が作中にときどき出てくる
「13階段」を読んでいたら、作中に「13」という数字が何度か出てくることに気がつきました。
ここからは個人的な解釈です。
大臣の決裁
作中の法務大臣の決裁のシーンです。
命令書はいよいよ法務大臣へと運ばれ、そこで十三人目にして最後の決裁者となる判断を仰ぐことになる。
引用元:13階段 P242より
「十三人」が出てきました。
このシーンは樹原の命運を分ける死刑命令執行書の決裁についてです。
後半の階段
後半の重要なシーンです。
純一は明かりを下ろしながら、段の数を数えてみた。するとそれは十三あった。
引用元:13階段 P338より
階段はあの階段なのでしょうか。
「31」は「13」の入れかえ?
次は「31」についてです。
「13」を入れかえたら「31」になります。
すこし無理やりでしょうか…。
南郷は、青信号で車を出しながら、新聞社の記事検索で知った『31号事件』について話した。
引用元:13階段 P222より
「31号事件」が出てきましたが気のせいでしょうか。
名前にも?
名前の「三上純一」にも隠れていました。
最初と最後の漢字、三上の「三」と純一の「一」になります。
これを見つけたときはすごく驚きました。
偶然なんですかね。
【豆知識】被告人と被告の違い
ちょっとした豆知識をご紹介します。
「被告人」と「被告」の違いについてです。
刑事裁判で使われる言葉です。
民事裁判で使われる言葉です。
民事裁判では裁判を求めた方を「原告」といい、訴えられた相手を「被告」といいます。
ここで注意してもらいたいのは、民事裁判でいわれる「被告」は刑事裁判の「被告人」ではありません。
ポイント
ときどき民事裁判では「私は何も悪いことをしてないのにどうして『被告』になるの?」という話を耳にします。
- 被告人は刑事事件
- 被告は民事事件
これは単に民事裁判をおこされた立場でしかありません。
刑事裁判の『被告人』とはまったく違います。
『人』の1文字があるかないか
「人」の一文字があるかないかでまったく意味が違います。
この原因はおそらくテレビや新聞が、民事裁判でも刑事裁判でも同じように単に「被告」といっているからかもしれません。
マスコミ内で何かしらのルールがあるのかもしれませんが、正確には不正確な表現だと思います。
まとめ
「13階段」は手に汗を握る展開で、続きが気になってページをめくる手がとまらなくなります。
- タイムリミットに間に合ったのか
- 間に合わなかったのか
ぜひ「13階段」を読んで確かめてください。