引っ越しをしたあとに敷金がいくら返ってくるのかは重要です。
少しでも多く返ってきて欲しいと思いますよね。
僕は9年住んでいたアパートから引っ越しました。
そのときに管理会社の担当の人から『部屋全体のクロス張替費用の10%分』を請求されたんです。
しかし、僕は払う必要がないと思ったので『ある言葉』を伝えたところ支払う必要がなくなりました。
『ガイドライン』という言葉が今回のポイントです。
- こちらの記事は2017年の実体験に基づいて個人的な意見を書いています。
- 敷金返還については民法の改正(2020年4月から)が予定されました。
- 2020年4月1日から賃貸借契約に関する民法のルールが変わりました。
- 民法改正のポイントは、『通常損耗』や『経年変化』については原状回復義務を負わないことが法律で決まりました。
参考 賃貸借契約に関するルールの見直し|法務省(PDFパンフレット)
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実際に敷金が戻ってきた金額
僕の引っ越しのケースで実際に敷金がいくら返ってきたのかをお伝えします。
2か月分のうち約1.5か月分が返ってきました。
1か月分以上返ってきたのでとりあえず満足しています。
クロス代の張替費用の請求を撤回させた一言
今回の引っ越しの際に管理会社から請求された費用は次のとおりです。
- 部屋全体のクリーニング費用(契約時の特約)
- エアコンの清掃費用
- クロス張替費用(全体)の10%分
この①〜③の費用について請求されました。
①と②はまあ仕方ないかなと納得していましたが、問題は③のクロス張替費用10%分です。
僕はタバコを吸わないですし、部屋も特に汚れていませんでした。
むしろ9年も住んでいた割にはキレイな方だったと思います。
敷金返還については自分なりに少しだけ知識がありました。
僕は『クロス張替費用の10%分を自分が負担する理由はない』と考えて、次の言葉を伝えました。
ガイドラインだと通常使用の損耗(そんもう)は大家さんの負担になりますよね。
この言葉を聞いた管理会社の担当者の方は「一度会社に戻って確認をしてみます…」と答えて帰りました。
翌日、担当者の方から電話がきて「クロス張替費用のご負担をしていただかなくて大丈夫です」という連絡をもらいました。
『ガイドライン』という言葉が今回のポイントです。
参考 住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – 国土交通省
敷金返還の現状とガイドラインについて

ガイドラインとは国土交通省が定めた『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』のことです。
現在ほとんどの敷金の返還はこのガイドラインにしたがって行われています。
ガイドラインをシンプルに説明
原状回復のガイドラインをできるだけシンプルにご説明します。
ガイドラインが定めた基準は次のとおりです。
部屋を借りた人は
- わざと壊したり汚したりしない
- うっかり壊したり汚したりしない
- 普通の感覚を超えるような、とんでもない使い方をしない
このようなことをしない限りは「修復費用を負担しない」ということです。
そして次の2つの修復費用は賃料に含まれていると考えます。
- 年数が経つことにより、部屋が古くなったり劣化すること
- 普通の使い方で壊れたり汚れたりする部分の修復費用
つまり、『わざと』や『うっかり』で部屋を壊さず汚さずに『普通に』使っていたら借りた人は直す必要はないということです。
借りた人の負担にならないケース
ガイドラインが定めた原状回復費用について、『借りた人の負担にならないケース』は次の事例が考えられます。
- 畳の変色、フローリングの色落ち
- 通常の家具の設置での床やカーペットのへこみ、設置跡
これらを直す費用は、借りた人の負担にはなりません。
修復費用は今まで払っていた賃料に含まれていると考えられます。
借りた人があらためて負担する必要はありません。
借りた人の負担になるケース
ガイドラインが定めた原状回復費用について、『借りた人の負担になるケース』は次の事例が考えられます。
- タバコのヤニでクロスが黄色く汚れた
タバコを吸うか吸わないかは借りる人の自由。
そのタバコのヤニ汚れを掃除する費用を負担するのは、結局タバコを吸っていた借りた人です。
さすがにタバコのヤニ汚れを大家さんの負担にするのは酷な話です。
国交省の原状回復のガイドラインはこちらのリンクから参照できます。
参考 住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – 国土交通省
敷金返還における注意点
敷金を返してもらう際の注意点がいくつかあります。
今回の記事を書くにあたっていろいろと調べなおしました。
その中で個人的に気になったことは次の2つです(あくまで個人的な意見です)。
- 専門の業者に依頼してみましょうというセールス
- 敷金の全額がもどってくるという説明
①の「専門の業者に依頼する」ことについては、当たり前ですが「業者の方に支払う費用」が追加されてしまうのでは?と単純に思いました。
おそらくボランティアではないと思いますので、費用というか報酬を払いますよね?
仮に敷金が多めに帰ってきても、依頼した専門業者への費用で赤字になったりはしないんでしょうか?
②の敷金の全額がもどってくるについては、「必ず全額返ってきます」という説明をみかけました。
これも個人的な意見ですが、「妥当な金額の費用」であれば仕方ないのかなと思います。
敷金全部でも足りず、「追加で◯◯万円払え」なんて言われたら話は別ですけど。
僕のケースのクリーニング費用は月額賃料の約半額でした。
あとはエアコンの掃除費用(数千円)だけで、ほかは一切ありません。
仮に賃料を6万円としたら、半額の3万円がクリーニング費用となります。
まあ3万円であれば妥当な金額なのかなと思いました。
あと僕の場合は契約のときに特約事項として『クリーニング費用は負担する』という項目がありました。
ですので、クリーニング費用についてはあまりうるさいことを言うつもりは最初からありませんでした。
※この特約事項についても支払う必要はないという見解があります。
普通に使っていれば敷金はちゃんと戻ってくる
今回の引っ越しの敷金の精算はとくに不満はありません。
「クリーニング費用」と「エアコンの掃除費用」は納得しています。
「クロスの張替費用」については一切払うつもりはなかったので、請求を撤回してもらえなかったら徹底的に争っていたと思います。
今回はすんなりと撤回してもらえて良かったです。
きっと最初に「ガイドライン」と伝えたので、『こまかいうるさい客』だと思われたことでしょう。
これから引っ越しをされる方は、このガイドラインについて調べておくのがいいのかなと思います。
さりげなく「私はガイドラインのこと知ってますよ」とアピールできるといいですよね。
参考 住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – 国土交通省
- 2020年4月1日から賃貸借契約に関する民法のルールが変わりました。
- 民法改正のポイントは、『通常損耗』や『経年変化』については原状回復義務を負わないことが法律で決まりました。